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2014年1月11日 (土)

厚生労働大臣への再審査請求

生活保護費削減について、知事への審査請求棄却を不服として厚生労働大臣への再審査請求を、15日午後4時に処分庁の大津福祉事務所に行います。以下は再審査請求の理由の部分です。
5 再審査請求の理由
(1)憲法25条、法1条、3条違反
   審査請求人は、生活保護基準引き下げに伴う本件処分によって、健康  で文化的な最低限度の生活(憲法25条)を下回る生活を余儀なくされた。       よって本件処分は憲法2 5条及び法l条、3条に違反する。
(2)法8条1項、2項違反
   生活保護法8条1項は、「保護は、厚生労働大臣の定める基準により測  定した要保護者の需要を基とし、そのうち、その者の金銭又は物品で満た    すことのできない不足分を補う程度において行うものとする」とし、同条2項は、厚生労働大臣の定める生活保護基準について、「要保護者の年齢別、
性別、世帯構成別、所在地域その他保護の種類に応じて必要な事情を考
慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって、旦つ、これ
をこえないものでなければならない。」と定めている。
   しかし今回の基準引き下げは、上記事情を考慮せず、かえって生活保     護費全体の削減という至上命題のもと、以下のとおり「要保護者の需要」    (法8条1項)及び「年齢別、性別、世帯構成別、所在地域その他保護の種    類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要」(同条2項)とは    かけ離れた統計データの怒意的抽出ないし分析を行ったものであり、失当    である。
   すなわち、「国費ベース」での「財政効果」を見込んで定められた削減幅670億円のうち、まず、厚生労働省が「ゆがみ分」すなわち「生活保護基準部会における検証結果を踏まえ、年齢・世帯人員・地域差による影響を調整」した結果と標榜する90億円分については、生活保護の捕捉率が高々3割にも満たない中で最も低所得者の層であって漏給層を多く含む第1・十分位を生活扶助基準と対比する一般低所得世帯として設定した手法自体に問題があるうえ、同手法を採用した社会保障審議会生活保護基準部会報告書ですら「検証結果に関する留意事項」において「今回の手法についても専門的議論の結果得られた透明性の高い一つの妥当な手法である一方、これが唯一の手法でもない。今後、政府部内において具体的な基準の見直しを検討する際には、今回の検証結果を考慮しつつも、同時に検証方法について一定の限界があることに留意」すべしとの指摘をはじめ、数々の観点から安易な引き下げに釘を刺しているのであって、同報告書を大きく逸脱している。
 また、厚生労働省が「デフレ分」すなわち「前回見直し(平成20年)以降の物価の動向を勘案」したものであると述べる580億円については、そもそもデフレ論自体前記基準部会でも全く検討されず突然持ち出されたものであって専門家による吟味を一切経ていないうえ、基準年の設定の仕方も総務省統計局が行う通常の方式とは全く異なり、しかもそこで用いられる「生活扶助相当消費者物価指数(CPI)」についても、物価下落の主因となっている電気製品の値下がりが過大に影響するなど、生活保護利用世帯の需要(法8条1項、2項)ないし実態と大きく乖離している。
 以上要するに、厚生労働大臣の裁量を逸脱した基準引き下げ告示に基づ  く本件処分は、法8条1項2項に違反する。
(3)知事裁決の誤りについて
   平成25年1 2月1 2日付滋賀県知事裁決の論理構造は要するに、本件  処分は厚労省告示に基づき、保護基準は,法8条1項の委任に基づいて定  めるものであり、その設定については厚生労働大臣の合目的的な裁量に委  ねられており,処分庁は司法機関ではないから、厚生労働大臣による当該  裁量権の行使について、違憲性および違法性の判断をする権限を有しない  ので、本件処分が違法または不当であると判断することはできないこと、  法56条違反の点については、保護基準自体の改定に基づいて保護の内容  が決定される本件のような場合については,同条が規律するところではな  いという点にある。
 しかしそもそも、生活保護制度は憲法25条の要請を受け(法1条)、同制度により保障される生活水準は「健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない」(法3条)とされ、しかも法1条、法3条はいずれも「この法律の基本原理であって、この法律の解釈及び運用は、すべてこの原理に基いてされなければならない」(法5条)とされている。
 したがって、生活保護基準は憲法25条に定める「健康で文化的な生活準」を維持できるものでなればならない。
 しかも、「被保護者は、正当な理由がなければ、既に決定された保護を、不利益に変更されることがない」とされている(法56条)。
 憲法及び生活保護法の上記構造からしてみれば、本件処分が合憲性を持ち、適法であるためには、単に各福祉事務所長が「厚労省告示どおりに変更決定を正確に行った」というだけでは到底足りない。厚労省告示そのものが憲法25条の要請する法l条、3条の趣旨に合致し、かつ、8条1項だけでなく同条2項にも違反していないことが処分庁によって証明されて初めて、法56条所定の「正当な理由」があると認められることになるのである。
  この点について正しく判断しなかった滋賀知事裁決は誤っている。

6 処分庁の教示の有無及びその内容
  「この裁決に不服がある場合には、この裁決があったことを知った日の翌 日から起算して30日以内に厚生労働大臣に対して再審査請求ができます。
  また、この裁決の取消しの訴えは、この裁決の通知を受けた日の翌日から 起算して6月以内に滋賀県を被告として(滋賀県知事が被告の代表者となり ます。)提起することができます。なお,この場合において,処分の違法を 理由として取消しを求めることはできません。」旨の教示があった。

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